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お歯黒とお歯黒道具


 約2,000年前の中国の「魏志倭人伝」には「東方に黒歯国あり」と書かれ、「源氏物語」などによると天上人の化粧とされ、「源平盛衰記」での平敦盛や「太閤記」での豊臣秀吉もお歯黒をしたといいます。

 これは武士の間では心変わりしないという忠節を表し、既婚婦人は夫に対する貞節の印としたもので、徳川末期にはお歯黒道具は欠くことのできない嫁入り道具の一つでした。

 なお、お歯黒は、科学的にみればむし歯予防だったと言われています。


 お歯黒道具〜「鉄奨(かね)」つけ道具については、以下のものがあります。



 (1) 耳盥(みみだらい)、角盥(つのたらい)
 (2) 渡し金……耳盥の上に乗せ筆などを置く。
 (3) 五倍子粉(タンニン*注)と「ふしのこ」入れ。
 (4) かねわかし、かねつけ碗
 (5) お歯黒壷(かねつぼ)
 (6) お歯黒筆
 (7) お歯黒箱、長箱


*注; 五倍子(ふし)とは、ヌルデの若葉にアブラ虫の一種が寄生し、その刺激により生じた瘤状、紡錘形の虫疫で内部は空洞、皮壁は褐色の絨毛を被る。タンニン材としてお歯黒の染料を作る。薬用、染織用、インキ製造用。