会長挨拶

 
一般社団法人 島根県歯科医師会
       会長 内田 朋良
島根県歯科医師会は、大正 8 年 (1919 年) に自主任意団体として発足した、90 年以上の歴史を持つ会です。
その後、昭和 22 年 (1947 年) には民法第 34 条 (公益法人の設立) に定める学術専門団体として社団法人島根県歯科医師会となり、平成 25 年 4 月からは、国の新法人改革に伴い、「一般社団法人島根県歯科医師会」として新たに発足いたしました。
島根県歯科医師会は、公益目的として積極的に歯科医学の進歩発達と公衆歯科保健の普及向上を図り、予防歯科医学の充実に努力し、社会福祉の増進に寄与するために活動しております。
島根県歯科医師会は、松江市、安来市、出雲市、雲南市・仁多郡・飯石郡、大田市、邑智郡、江津市・浜田市、益田市・鹿足郡、隠岐郡の各地区歯科医師会の会員からなり、島根県歯科医師会会員は日本歯科医師会に属しています。

われわれ歯科医師は、「8020(ハチマルニイマル) 運動」を推進してきました。8020 運動 = 「80 歳に (平均寿命) になっても、20 本以上の自分の歯 (20 本以上あれば何とか噛める) を持っていよう」という運動です。「生涯自分の歯でよく噛んで健康寿命を延ばして欲しい」という思いから発足した運動です。平成元年に提唱してから 20 数年が過ぎました。当初は 8004 などという状態でしたが、最近では 8014 というまでに改善してきております。平成 23 年歯科実態調査では 8020 達成者が 38.3 パーセントになってきました。ここ数年で、国民の半数の人が 8020 を達成されるほどになるものと思われます。

ところで、島根県歯科医師会では、数年前から県下を回り「県民の方との対話集会」を持ちました。その中で、「自分はもう 20 本の歯が残っていないので 8020 と言われても ・・・」というご意見を頂戴いたしました。成人期以降の歯を失う大きな原因は歯周病です。残っている歯をできるだけ長持ちさせることの大事さと、入れ歯などの処置によって 20 本以上の歯を持つことと遜色ないまでに機能回復させることの可能性についてご説明しました。
平均寿命は男性では 79.55 歳、女性が 86.30 歳ですが、介護などを必要とせず日常生活を送れる「健康寿命」は、男性が 70.42 歳、女性が 73.62 歳です。この健康寿命を延ばすのに欠かせないのが「よく噛める」ということです。

日本歯科医師会では、歯科医療に対するニーズの変化、高齢社会の到来に対応すべく、これからの歯科医療を「国民の生活を支える歯科医療」と位置づけ、「噛める」という機能を維持することの大切さを広く広報しています。

本県におきましても、平成 22 年に「歯と口腔の健康を守る 8020 推進条例」が制定され、県歯科医師会と島根県が連携を取って、県民の健康の保持増進に寄与する活動を行っています。